
コロカシア・イラストリスとは・・・
コロカシア・イラストリス(Colocasia illustris)は、熱帯および亜熱帯の地域に自生する美しい観葉植物です。通称「タロイモ」として知られており、特にその大きなハート型の葉が特徴的です。葉の色は緑色から黒色になります、非常に魅力的な外観を持っています。



特徴
- 葉の形状と色: 大きく、ハート型の葉が特徴で、葉の色は緑色から黒色に変化します。
- サイズ: 成長すると高さ1.5メートル以上にもなり、庭やインテリアのアクセントとしても非常に映えます。
- 成長速度: 適切な環境下では非常に早く成長し、美しい葉を次々と展開します。
生息地
コロカシア・イラストリスは東南アジア、特にインドや中国、フィリピンなどの熱帯・亜熱帯地域に自生しています。湿潤な気候を好み、川沿いや湿地など水分の多い場所でよく見られます。
育成方法
光
明るい間接光を好みますが、直射日光は避けるようにします。日陰でも成長しますが、光が少なすぎると葉の色が薄くなることがあります。
温度
暖かい気温を好み、最低でも15°C以上を保つようにします。寒冷地では冬場は室内で育てるのが良いでしょう。
水やり
土が常に湿っている状態を好みますが、水はけの良い土を使うことで根腐れを防ぎます。夏場は特に水分を多く必要とします。排水性に優れたスリット鉢がおススメです。
土
水はけの良い、栄養豊富な土を使用します。ピートモスやパーライトを混ぜると良いでしょう。
増やし方
分球
- タイミング: 春から夏にかけての成長期に行います。
- 手順:
- 植物を鉢から取り出し、根茎の周りの土を注意深く取り除きます。
- 根茎を観察し、小さな球根を見つけます。これらの球根は親株から自然に分かれていることが多いです。
- 球根を慎重に取り外し、別の鉢に植えます。
- 新しい球根は十分に水を与え、明るい間接光の場所で育てます。
株分け
- タイミング: 春や夏に行います。
- 手順:
- 成長している株を掘り起こし、根茎を分けます。
- 分けた部分はそれぞれ新しい鉢に植えます。
- 分けた株は十分に水を与え、適切な光と温度の環境で育てます。
2025年栽培記録
コロカシア系植物(例えば「ブラックマジック」や「イラストリス」など)は、抽水性植物として知られています。湿地帯でも育つため「水が大好きな植物」と思われがちですが、実際に育ててみると、必ずしも水浸しの環境が最適というわけではありませんでした。
私自身、水耕栽培にも挑戦しましたが、結果はイモが腐ってしまうことが多く、あまりうまくいきませんでした。コロカシア系は水に強いものの、常に根が完全に水に浸かっている状態では酸素不足になり、イモが腐りやすくなるようです。
水耕栽培よりは、腰水栽培(鉢の下から水を吸わせる方法)のほうが適していると感じました。根が水に直接浸からないため、腐敗を防ぎつつ適度な水分を供給できるからです。
また、育成用土についても、一般的な観葉植物と同様に「排水性の良い用土」を使うのが正解でした。適度に湿り気を保ちつつも、余分な水はしっかり排出される土壌環境が、コロカシア系にとっては理想的だったのです。
さらに、鉢植えでの管理よりも、地植えにしたほうが生育が非常に安定しました。株もより大きく成長し、子株も次々と増えるなど、植物の勢いがまるで違います。やはり地面のほうが根の伸びや呼吸がスムーズで、ストレスが少ないのでしょう。
コロカシア系を育てるなら、水耕栽培よりも排水性に優れた用土+腰水管理、そして可能であれば地植えがベスト!これが私の育成経験から得た結論です。
Chunsuke流 用土のこだわり 〜イモにやさしい土づくり〜
植物の育成において、最適な用土を見つけることは、まるで植物と会話を交わすような作業です。特にイモ系植物はデリケートで、少しの環境の違いでも調子を崩してしまうことがあります。今回は、私Chunsukeが現在試している用土の配合と、その背景についてご紹介します。
使用している用土
現在私が使用している主な用土は以下の4つです:
- 鹿沼土(小粒)
軽量で排水性・通気性が高く、乾きやすい性質を持つ。酸性寄りの用土。 - 赤玉土(小粒)
適度な保水性と通気性があり、植物栽培の基本用土として知られる。 - 日向石(小粒)
火山性礫質で、非常に高い通気性と排水性を誇る。根腐れ防止に効果的。 - 苦土石灰(少量)
土壌のpHを中和し、カルシウムとマグネシウムを供給する資材。
試行中の配合比率
現在は以下の比率で配合しています:
鹿沼土 2 : 赤玉土 1 : 日向石 1 : 苦土石灰 0.5(少量)
この配合には、いくつかの明確な狙いがあります。
イモ類にとっての「快適な環境」とは?
イモ類はその体内に水分を多く含む性質があるため、保水性の高い土壌では過湿になりやすく、結果的に腐敗の原因になることがあります。
そこで私は、「地植えに近い乾湿のメリハリある環境」を目指した土づくりを考えました。
各用土の役割と配合意図
- 鹿沼土(2)
排水性と通気性を重視して多めに配合。地植え環境のように空気が通る隙間を確保し、イモの根が蒸れない環境を作ります。 - 日向石(1)
さらに通気性と排水性を強化。構造が崩れにくく、用土全体の水はけを安定させてくれます。 - 赤玉土(1)
鹿沼土や日向石だけでは乾きすぎるため、赤玉土でほどよく水分を保持。保水と排水のバランスを整える調整役です。 - 苦土石灰(0.5)
鹿沼土は酸性が強いため、それを中和する目的で少量使用。加えて、苦土石灰に含まれるカルシウムとマグネシウムは、徒長防止や葉緑素の活性化にも役立つとされています。
腰水栽培との相性も◎
また、この配合は通気性が高いため、腰水栽培でもイモがジメジメした環境になりにくいと考えています。用土全体が蒸れることなく、根に新鮮な空気が供給される状態が維持しやすいのが利点です。
まとめ
イモ類を元気に育てるためには、「水を与える」ことよりも「水を抜けやすくする」ことが重要だと実感しています。今回の配合はまだ試行錯誤の段階ですが、イモの腐敗を防ぎ、健康な生育をサポートするひとつのアプローチとして手応えを感じています。
同じようにイモの管理で悩んでいる方は、ぜひ一度この用土配合を試してみてはいかがでしょうか?